母和牛再飼育専門農場。
母和牛の再飼育は、繁殖事業の傍ら副産物的に行われることはあるものの、その個体管理の煩雑さや、平均的な肉質に仕上げることの難しさから、専門に行う農場はありませんでした。また、食肉業界において「経産牛は2等級がほとんど」という印象が一般的で、ニーズもありませんでした。
熟豊ファームでは、独自の研究を重ね、母牛に特化した仕入れ・肥育方法の確立に成功しました。これにより、平均3等級以上の成績を修め、母牛の熟成された肉味と「和牛」のポテンシャルを引き出した肉質の牛肉生産を行っています。
販売パートナーである株式会社銀閣寺大西とともに「母牛」であることをアピールポイントとし、日本国内のみならず、アジアやヨーロッパの16カ国でも販売しています。
また、熟豊ファームは持続可能な畜産を目指した取り組みにも力を入れています。アニマルフレンドリーな飼育環境の整備、メタンの排出を抑える飼料を利用した温室効果ガス抑制、食品メーカーから引き取った良質な食品製造副産物を使った発酵TMR(※)の作成、建築端材を再利用した牛舎建築など、環境に配慮し次世代に続く畜産の発展を目指しています。
※発酵TMRとは
一般に、牧草と穀類(とうもろこしや麦など)・糟糠類(米ぬかやフスマなど)からなる濃厚飼料を混合したものをTMR(Total Mixed Ration)といい、これに水分量を多く含む食品製造副産物等を混合し発酵させたものを発酵TMRと呼びます。