1.耕畜連携
サステナブル和牛熟から出た堆肥は完熟させた後、近隣の穀物や野菜の生産農場に提供しています。その堆肥で育ったお米から出る稲わらや麦わら、牧草は粗飼料に、デントコーンやさつまいも (加工食品化される際の副産物) はTMRの原料として引き取ってい ます。

2.TMR(完全混合飼料)の自社製造
食品製造副産物(さつまいも、醤油かす、豆乳かす、出雲そば、味噌等)を使用したTMRを製造しています。食品製造の過程で排出される切れ端、絞り粕、規格外品など、これまで処分されていた副産物を引き取り、飼料の原料として再利用しています。人間の食用として製造されたものの副産物であることから、食物として良質で栄養価が高く、飼料効率も良いため、飼料原料としても優れています。
これら原料は私たちにとって廃棄物としての「食品残渣」ではなく、牛の健康維持・向上に期する価値ある「副産物」と捉えています。

3.メタンガス排出抑制への取組
牛は4つの胃を持ち、牧草や飼料を第一胃(ルーメン)で消化する際にメタンガスを産生してゲップとして排出します。メタンは二酸化炭素(CO2)と並ぶ温室効果ガスの一つであり、メタンの温暖化係数はCO2の約25倍とされています。牛から排出されるメタンの地球温暖化への関与は大きいといえます。
牛からのメタンガス排出を削減するために自社製TMRへの「カシューナッツ殻液含有飼料」の添加が有望と考えられたことから、実証試験を行い給与前後でのメタンガスの測定を行った結果、メタンが最大63%削減されていたとのデータを取得しました。
※令和7年5月1日、カシューナッツ殻液は、牛のゲップ等由来の温室効果ガスを削減する飼料添加物として農林水産省より正式に指定されました。

最大63%のメタンガス削減を実証

『サステナブル和牛熟』における温暖化ガス削減が測定に基づく数値として記録され、実証試験(ファクト)として証跡化されました。
ルーメン内でのメタン産生抑制には脂肪質飼料も効果があると言われています。おからなどの大豆を原料とする食品製造副産物は脂質を含んでおり、その脂質はリノール酸やリノレン酸などの不飽和脂肪酸を多く含みます。不飽和脂肪酸の方がメタンの抑制により効果があると言われていることから、
→「サステナブル和牛熟Refeeding Program」×「カシューナッツ殻液飼料」=より効果的な「メタン削減」がつながったと考えています。
4.日本初の宮大工による牛舎建築
今まで廃棄されていた社寺仏閣の端材を再利用して牛舎を建設しました。
工法には日本の社寺仏閣建築の伝統技法が応用された日本初の牛舎であり、安全性・耐久性に優れています。
これまで交わることなかった「宮大工」と「畜産」という新たなコラボレーションで、「次世代までずっと維持できる牛舎」を造り出しました。業界内からの注目度も高く、メディアにも取り上げられました。また、後継者不足や檀家の減少等により社寺仏閣の改修・新築が減少する中、宮大工にとっても新たなニーズの創出となる取組です。

5.製材副産物×食品製造副産物の敷材への利用
ひのきのかんなくず、茶葉等を、おがくずやのこくずに混ぜて牛床に使用しています。
かんなくずやおがくず、のこくずは木材の製材加工の際に発生するもので、廃棄物として処理されています。同じく茶葉等も規格外品のため廃棄されていました。かんなくず等は吸水性・保湿性が高く、茶葉等は殺菌・消臭効果に優れており、牛にとっての良質な敷材となっています。

6.カーボンオフセット
島根県飯南町より20トン分の二酸化炭素排出権を購入しています。
タイヤローダーなどの重機や牛の運搬に使用するトラック等の使用は牛を飼育する上では必要不可欠です。これらから排出される二酸化炭素を、飯南町の豊かな森林の吸収率とカーボンオフセットするための取組です。
